右の地獄さんと左の地獄さん
本当はチコっとした違いだけだった
でも 右の地獄さんは 左の地獄さんを
左にあるのは 天国さんだと思い定めては
秘かに想い 焦がれ
左の地獄さんは 右の地獄さんのこと
やっぱり右側にある天国さんだと
信じてたから
わしの気も知らんと て
殆んど逆恨みのノリで 見つめ続け
・・・けれど・・・或る日
或るあんまり晴れてもいない日の 午後過ぎぐらいに
互いの貌の BBクリームとかCCクリームか
いや 昭和の舞台用ドーランだったか
を 透かして 自国の地獄の 強烈なお日様に 炙られた
左右の頰を 見てしまったから その どんよりとした午後から
なんだか 幸せになってしまった
幸せに なってしまったんだ