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ふみちゃこ部屋



音楽の効用 「女吟遊詩人たち」と「ボリウッドムービー ダマカ」

「片付けられない人にとっては、特別な行事もない、ごく普通の一日が、こなし切れそうにない、言ってみれば、毎朝起きたら大晦日の感覚なのです」
というような文章を、“片付けられない人必見! その傾向と対策 こうすれば解決”系の本で、読んだことがあります。

ま、毎日が大晦日の日常・・・おお、だとしたら、本当に辛くて、生きることは、もはや、プレ拷問状態でしょう。気の毒に思ってしまいます。
私の一番良く知る、片付けられない或る女性は、こんな戯れ歌を詠んですらいました。
『世の中に 絶えて片付けのなかりせば 春の心はのどけからまし』
また、
「神よ、片付けなくて済むのなら、その時間の分の私の寿命、無くなってかまいません」
とも、嘯いています。挙句、
「や、どうせ片付けないんだから、寿命減るも増えるも、変わりないから」
と、家人に返されたらしいです。
て、じわり暴露た感が出てまいりましたが、上記の、愚か者的事象の体現者は、悲しいかな、私自身であります。

私は、このような恥ずべき状態から、脱却せねばならぬ。ああ。

・・・軽い冥想状態を経て、魂を浄めたら、片付けられるやもしれぬ、と、考えた私は、「貴婦人と一角獣」展の出口の売り場から買ってきました『女吟遊詩人たち』という、神への祈りや呼びかけの詩が多く選曲された、北フランス中世の古楽器をバックに、美しい女性の歌声が静かに流れるCDを流してみました。
しかし、直ぐに私を捕えに来たのは、ふんわりした真白き羽にて私を包む、眠りの王国の天使たちです。

「絶対眠くならない、思わず身体が動いてまう選曲の、“ダマカ”の編集を、頼みます」
(ボリウッドムービーの、ダンスシーンに特化したCDやDVDに、よく、Dhamakaと記されていて、その真下に、漏れなくnon stop とあるため、家では、どうにも止まらない状態を指し、“ダマカ”という言葉を用いるようになった)
「ふっ、最終兵器は、全ての答えは、ヒンディーフイルムタワーにあったのね」
(ヒンディーフイルムタワーとは、居間に立つ、インド映画を並べる事に特化した、縦長の棚である)
私は、方頬を引き、勝ったも同然の笑みを浮かべたはずです。

持てるボリウッドムービーのCDの中から、私はしっかり時間をかけ、妥協を許さぬ選曲をしました。
そして、全13曲、“これで解決 思わず身体が動いてしまう お掃除ダマカ”が、完成したのです。

いや、もう、身体が動きまくるったら、ありゃしない。
凄いものでした。
6曲目の、「JIYA RE」(映画では、サビの部分で、デイスカバリーチャンネルの記者役の、手脚の長いモデル出身の女優が、『自分らしく、人生を生きて行こう、前に進もう』と、インド北部の平原で、伸び伸び明るく踊るとこです)まで、一気に踊り通しました。
おおよその口パクは出来ますが、顔の表情筋だけで踊っているのか感もあり、いわゆる、ダンスの技術点の低さを、芸術点にてカバー、的な状況だったと思います。
ともあれ、インド古来のどんつくサウンドスパイスに、西側の、ポップなリズムが溶けこんだ(或いは、無理にも溶かしこんだ)音楽に乗りまして、私は、幸せな時間を過ごしました。

あれ。

これ、違う。違うよ。片付ける、は、何処へ消えた。

片付けのためのウオーミングアップという意識すら、ありませんでした。
6曲目の歌詞のように、“自分らしく生きて”、踊ってしまっただけです。
そして、疲れ切ったところに、また、眠気がやって来るのでした。
by chaiyachaiya | 2013-07-12 13:26 | ねこの寝言
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