人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ふみちゃこ部屋



「キラークイーン」とXmas過ぎの「リトルドラマーボーイ」

一応、寝室にベッドはあったのですが、洋風押入れにムートンの敷物を引っぱり込み、その狭い穴ぐら暗がりで、ラジオをを聴くのが、中学の頃の私のならいでした。
初めて、その押入れラジオから、「キラークイーン」という曲が流れるのを聞いた時、今まで聞いたことのないメロディライン、なよやかで、時に力強くもある、妖しいヴォーカル、クイーン青年合唱団と呼びたくなる見事なコーラス、ギターの音色に、すっかりやられてしまい、キラークイーンというバンドの「クイーン」という曲なのか、やっぱりバンド名はクイーンなのか、よくわからないまま、街のレコード店に駆けていき、シングル盤を手にしました。

「キラークイーン」のジャケット写真は、同曲が収められているアルバム「シア ハート アタック」と同じで、フレディ・マーキュリーは、珍しい獅子頭を想わせ、異様な緊張感のある美しい貌で写っていました。《英ロック界の貴公子 クイーンの放つ衝撃波に あなたはどこまでたえられるか》という一文が添えられてあります。


私は一目で、フレディ・マーキュリーに恋をしました。彼は、自らの出自を、ペルシャの貴族の末裔だと語っていたようですが、そのペルシャ産の柘榴のように、才能が、真赤に弾けているようなイメージに、圧倒されたものです。

父に言わせれば、私がフレディ・マーキュリーに惹かれるのは、先祖の血が呼んでいる、からだそうで、父の出身地には、アイヌの人々が渡り住んだ、という言い伝えが存在し、父の親類の半分のひとびとは、まったり日本人顏、もう半分のひとたちは、エキゾチックで彫りが深く、剛毛だというのです。
「おんなじ顔した伯父さんもいたよ。その天才タイツ男と。」
実際、後日アイヌ展を見に行った際、若くて長髪だった頃のフレディ・マーキュリーと見まごう顔をした女性を、白黒の集合写真のなかに見つけ、本当に驚いたものでした。

ところで、「キラークイーン」の歌詞は、知る前の方が、純粋に、音楽として、不思議がって楽しんでいられました。
モエ エ シャンドン、マリーアントワネット、フルシチョフ、ケネディ、などの単語が出てくるこの歌は、高級娼婦をイメージしたものなのでした。
それだから、嫌だ、というのではなくて、意味不明の宙ぶらりんな世界で、ひとり遊んでいたというのに、きちんと明白な言葉の王国の枠内に、落っことされた不自由さを感じたのです。

ですから、今回も、怖かったのです。

記憶にあるXmasシーズンに、毎年漏れなく耳に入ってくる、あの、“パ〜ラパパンパン” という曲。
よく耳にするヴァージョンは、古き良き時代のXmasソング、という事で、ビング・クロスビー が歌っているのだろうと、ぼんやり思っていました。

人並みに、生きておりますと、山あり谷あり谷底ありで、毎年、必ずしも、しゃ〜わせMAX状態でXmasを迎えられてはいませんが、どんな状況でも、夕食の食材は、買い求めに行かなくてはなりません。そんな私の耳に、ショッピングモールやスーパーのスピーカーから、否応無しに届く、あの“パ〜ラパパンパン”・・・。
なんだか荘厳な感じもしないわけではないけれど、まが抜けている、西洋狸囃子のような(ああ、失礼ですね、すみません)パ〜ラパパンパン、のワールドに漂っていられるという利点も、無知の側にはあるのですが・・・。

私は決断致しました。この歌の意味を、今こそ、知る時が来た。このまま、もやっとラパパン無宿のままじゃいられない。

ああ。YouTubeで、ちょいちょい、でした。
既に薬物に手を染めた後であろうホイットニー・ヒューストン、デヴィッド・ボウイとビング・クロスビーの異色な組合わせ、幼く切ないジャクソン5、目まぐるしいアニメ使いのボブ・デイランに、え、ボニーMも、etc・・・。合唱団系の映像では、誇らしげに高らかに、ウラパパンパ〜ン、と歌っている様子が見られ、これは、やはり、伊達や酔狂でラパパンパンしてるのではない気配が、濃厚になってきました。
この曲のクレイアニメでは、馬小屋でのキリストの誕生場面が、必須になっています。
キングとは、世俗の王ではなく、ジーザスの事でした。
「僕は王の誕生の御祝いに何もあげられるものがありません だから 僕は このドラムを叩いてお祝いいたします」

ああ。私は、ラパパンパン「リトルドラマーボーイ」の歌の意味を、知ってしまった。
素朴なクレイアニメの、聖夜の星や東方の三賢人(古い時代のものでは、賢人の一人は、いわゆる謎の中国人そのものです)を、これからは、このフレーズを聞くたびに、想わずにはいられなくなるらしい。
by chaiyachaiya | 2013-01-21 23:38 | ねこの寝言
<< ホログラムの絵葉書と、世界の果... したり顔の「へスペロウ」と「ワ... >>


猫と日常と非日常

by chaiyachaiya
カテゴリ
Twitter
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
最新の記事
冬の眠気でぼんやりしてきた。
at 2021-01-14 16:58
ポチ顔のわたしと思い出のねこ顔。
at 2021-01-12 14:30
彼女に彼女を紹介する。
at 2021-01-09 14:56
手袋の雪。
at 2021-01-07 16:37
天と地の間に。
at 2021-01-06 14:41
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧