ふみちゃこ部屋



カテゴリ:本棚( 2 )


「アリーヤさんの大作戦」と追いかけてくるパティ・スミス

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最近出逢った本です。

「アリーヤさんの大作戦」の、帯には、“イラク戦争の時に本をまもるため、命をかけた図書館員の物語。”と、記されています。
アリーヤさんの本達への思い、決死の尊い行動には、本当に頭が下がります。
私だったら、すたこら、自らの保身にだけ、命をかけてしまいそうです。
マンガ形式なのですが、アリーヤさんの活躍を物語る、本のキャラクター自身の背表紙には顔があり、手脚が出ている(靴すら履いている)のですが、そのお顔が、なんともいえません。
どの登場人物の貌も、大英博物館のアッシリアの門の翼のあるレリーフや、遺物に彫られたものをルーツとしているかのように、濃い造形で、表情も瞬間瞬間切羽詰まっていて、淡くそこはかとない世界を、たましいの底でどこか良しとしているきらいがある私には、インパクト大、『や、やられた〜感』が、ありました。

パティ・スミスの「ジャスト キッズ」。
中央に写っているのが、カバーを剥がした状態です。綺麗な艶消しの桃紫色です。
バロウズから、ギンズバーグ、ダリ、ウオーホル、ジャニス・ジョップリン、ジミ・ヘンドリックスなど、そうそうたる人びととの出逢いのエピソードを交えて描かれたこの作品で、パティ・スミスは、2010年度の、全米図書館賞をノンフィクション部門で、受賞しました。
もっとも、そうそうたる人びととの場面がなくても、パティの内面を綴る表現力だけで、私にとっては、充分に読み応えがある本です。
彼女が、写真家ロバート・メープルソープの恋人だったことも、初めて知りました。
本のタイトルの「ジャストキッズ」というのは、おもいおもいのビートニク風装束に身を包んで歩く、若くまだ無名だったパティとロバートを見た、通りすがりの老夫婦のうち、夫人の方が、
「ねえ、彼らの写真を撮りましょうよ。あの人たち、アーティストよ」
などと言った際の、夫の側の、
「おいおい、彼らはただの子供だよ」
という、やや困惑顔で発したセリフからとったようです。

数日前のこと、彼女のこの本を暫く読んだ後、本を閉じ、テレビをつけたら、いきなり、パティ・スミスが、「グロリア」を歌っている映像が現れ、ビックリ!!
『ジュールズ倶楽部』という英国の音楽番組でした。白髪もちらほらの長髪のパティは、ネイティブアメリカンの、スピリチュアルな力を持った酋長みたいに見えました。

その後、新聞を捲ったところ、来日中の彼女のインタビューが載っていて、その日は、部屋のなか、なにかちびっとアクションを起こす毎に、パティ・スミスに遭遇してしまう日なのでした。
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by chaiyachaiya | 2013-01-28 23:18 | 本棚 | Trackback | Comments(0)

供述によるとペレイラは に、たどり着くまで 1

 わたしの眉は、人相学の本を見ると、良いことが記されていない、てんてん眉毛だ。
 右目の眉の下の皮膚には凹みがある。かたちは、取ってつけたような、山のかたち。でも、点点だから、普段は、目立たない。
 そのまま、眉ペンシルでなぞると、時代錯誤の、妙にドラマチックで滑稽な顔になるので、外に出る時は、がんばって眉のかたちを平らに引く。はみ出た山型の山頂は、無慈悲にカミソリでしゃりしゃりしたりする。
 しかし、うっかり、いきおいに乗って、本来の、左右対称ぷち富士の山の上を、素直になぞってしまう朝がある。いきおいづいているので、水墨画の富士ではなく、例えば、べったりポスターカラーによる太字ゴシック体の、冨士山。
 その結果、山というより、身構える大きな蜘蛛の前脚が張りついているように見える。
 前髪やメガネを、眉の上に重ね、額からタランチュラが飛び出さないように手なずけて、やっと外へ出る。

 テレビをつけたら、キアラ・マストロヤンニが父親のマルチェロについて、フランス後で語っている場面が映っていた。
 言語による、顔の筋肉の使い方の違いから生ずることなのか、話すたびに、額に幾重にも横皺が現れ、美しいなだらかな山型眉が、かなり上下する。
 父マルチェロも、私生活のスタイルを問われて、やっぱり、同じように顔全体の筋肉を使い、語っていた。横皺はより陰影深く、「女性にもてる、と言われてるけど、つくられたイメージに過ぎないよ」と言っている。
 キアラさん、ああ、マストロヤンニに似ているな、親子だものなあと、彼女の顔を見ていると、その顔の底から、誰か浮かんできた。・・・おうっ、カトリーヌ・ドヌーブ。ああ、ドヌーブ。ドヌーブに似てる似てるブロンドヘアの質感も、と見入っていると、いつのまにかマルチェロの表情が、動くレリーフみたいに現れる。わかりやすく、且つ不思議な顔だなあ、と感じる。
 ちなみに、異母姉のバルバラさんは、楚々としたミック・ジャガーみたいな顔つきで、キアラのような華はないけれど、いい顔だなあ、と思う。幾多の葛藤のあとに辿りついた、甘やかさはないけれど、揺るぎないものを得たひとの穏やかさを感じて、勝手に愛おしさを感じてしまう。
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by chaiyachaiya | 2011-09-19 20:49 | 本棚 | Trackback | Comments(0)


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