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ふみちゃこ部屋



タハー貝の夕べ・・・貴方はどう食すか・・・ぶほっ。(書き直ヴァージョン)

夏休みが始まり、通りを抜けていく子ども達の歓声を耳にすると、どうしても、私の胸に甦ってくる、タハー貝の思い出・・・。

子らが小学校低学年の夏休みの宿題の、工作、自由研究、に、手を出し口を出し、あまつさえ企画運営までしていた、母の夏時間。
作文にも絵にも、この母は、トータルで絡んでおりました。

もっとも、担任の先生が、夏休み直前の参観日には、「はい、夏休みの課題、保護者の皆さまの出番ですね」、秋の学年文集作成時には、「聞き取り調査の季節がやって参りました」など、ニカッと微笑んで言っていらしたから、余程さばけた放任主義のお家でなければ、其々保護者の色に染まった作品が提出されること、子どもの自力だけでは、クラス、学年全員分の作文が期日まで揃わないこと、は百も承知なことなのだったのだと思われます。

・・・が、私が介入の限りを尽くした子どもの夏休みの宿題課題・・・ひとつだけ、死角が存在していました。

その名も、「夏休み一行日記」・・・ああ。
これって、二学期の総合評価とかに、関係ねくね、と、私は、甘く見ていたのでございます。
し、しかし、神は見ておられた。

二学期、初秋の風に頰をやさしく嬲られる頃、夏休みの提出物が、担任の先生のハナマル印やコメントと共に戻ってきた時、私の頬は、違う意味で、ブホッと嬲られた思いが致しました。

「じてんしゃにのった。」
「虫とりに行った。」
「がっこうのプールに行った。」
「水でっぽうであそんだ。」

海外旅行はおろか、国内旅行、温泉一泊、もさせてあげられなかったから、概ね上記の四行リピートな、夏休み一行日記のなかの、もう直ぐ夏休み明けあたりに記された担任の先生のコメントに、目がいきました。

「タハー貝て、どんな貝でしょう。先生も食べてみたいな。」

ああ。
夏休みも終盤となり、単調な日々にあぐねた幼い長男は、旅行先の南の島の海岸で、採れたてのちょー珍しい貝を焼いてもらって食べた、というオハナシの切れ端を書いてしまったのでしょうか・・・。なんとも言えぬ気持ちになりました。ちょっと切なさすら感じていました。

・・・あ。
あ。あれ?

この、タ、タハー貝て、あ・・・あ・・・。
ジッと見るうち、この“タハー貝”に見える文字は、でっかく下手クソに書かれた『夕食』に、他なりませんでした。

タハー貝を食べた。
夕食を食べた。

だったのです。

親も子も、まぁ、大笑いまでには至りませんでしたけれど・・・。
夜ご飯は、その日だけじゃなくて、お粗末なのもであれ、毎夜作って、皆で食べてたんだけどなぁ・・・。あわわ。

それ以来、夏が来て、通りを抜けていく子ども達の歓声を耳にすると、思い出すのです。

・・・夏休み家族で南の島にヴァカンスに行ってね、シーサイドのレストランで、ふふ、まぁ、貝の表面は艶やかで上品なグレーベージュ、大振りの貝で、二つの器官は太く長くはみ出ていたりなんだけど、味は濃厚で甘味があって、バターで焼いてもらっても美味しいんだけれど、なにしろ採れたてで新鮮だから、オリーブ油と檸檬だけで、シンプルに、タハー貝を食したこと、ああ、お母さんの記憶に、今年もまた、甦ってきて、懐かしいな。

あれ・・・?

なんだか夏のホラー祭りの気配がしてきた感・・・?!


追伸 : このひとつ前の「ミリ子の嘘つき帳」枠の記事を削除したつもりで(陰惨なコト、技もないのに、半端な形で、お伝えしちゃぁいかん、思うて)、「タハー貝の夕べ〜」を削除してしまったため、記憶をもとに、も一回記しました。
別物になってしまったとです。


by chaiyachaiya | 2017-07-25 08:25 | ねこの寝言
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