ふみちゃこ部屋



美し過ぎる観音、楊貴妃観音菩薩を観てしまったの記

「三十三間堂、ふふっ、はあ、修学旅行の生徒でいっぱいだし、すぐ見終わりますでしょ。」
ハンドルを握る老女は、言った。
「泉涌寺、楊貴妃観音、見たことありますか? あそこは、修学旅行生もおらんし、ゆっくり、見られますよ」
運転歴24年だという女性ドライバーの提案に従い、泉涌寺まで、乗せてもらった。

楊貴妃観音、ああ、ガイドブックで、見たことあるような、ないような。
畏敬の念の一欠片も抱くことなく、私は、泉涌寺の探索を開始し、楊貴妃観音はこちら➡の指示に従い、私は、つとつとと、歩みを進めたのだった。

そして、ああ。
暗がりのなか、そこに、稀有なる観音が、いらした。

これまで、如何に、美しい仏像、と云われたところで、所詮は、ホトケ様の国の、領内でのみ通用する美しさ、ぼた餅に切れ込み刻んだ目鼻じゃないっすか、と感じていた私なのだが。
ああ。楊貴妃観音よ。
性を凌駕した、穏やかで、唯々、美しい姿の、君よ。

観光案内で見た写真では、豊麗線が目立ち、ブルドックみたく、頬の肉が垂れ下がっているようにすら見えていた、貴女様の御顔。
今は、目の前にある、華のかんばせ。

唯々、貴方は、美しい。
私は、息を止めた。
私の傍で、小さな翼を瞬かせていた、薄紫のシジミチョウも、動きが緩やかになり、そっと息をひそめたように思えた。

もう、観音、とか、仏像、という言葉すら、邪魔だと感じてしまう。
そこに、やさしくて、美しい人が、いる、だけなのだ。

「五月ぐらいに、その手前の床に日が射すと、ほわ〜っと、もっと綺麗に見える日があるんです。」
魅入られた方が、私より先に、いらした。

楊貴妃観音。
彼女の像がプリントされた、美人祈願御守りを買い、泉涌寺の門を出た。

ああ。
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by chaiyachaiya | 2013-06-29 22:34 | ねこの寝言 | Trackback | Comments(0)
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