私 こと ヘタレの国からやってきた
へータレ・コイジア 或いは優雅なる怠慢
改め
低調なる気塞ぎの病の体現者 へータレ三世が
ヘタレの限りを尽くし
リビングでうつ伏せのまま 朝を迎えてしまった時
なんとか起きあがり 最初に見たものは
幾つもの 花形満の前髪のあの房が
大振りに 隙間なく あちこちの方向に屹立している
自身の頭部であった
溶けない真綿の綿あめみたいな体毛を櫛梳るための
強力な舌と唾液で
ジュヒーは まんべんなく 一晩かけて
シド・ヴィシャスもジョニー・ライデンも
もはやどんなパンクもたどり着けない地点まで
私の髪型を ワイルドで滑稽なズラの如くに
固めてくれていたのだった
朝の光りのなか
飾り棚の鏡に映じた我が姿に
へータレ三世は 此処が異郷の地であることも忘れ
そりゃあもう 大笑いしてしまった
ジュヒー ありがとう
たくさんの愛の毛繕いを ありがとう
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