寒い街で
豹柄のリュックを背負った女の子を見た
瞳の芯は すでに 金色
ぱっつん長めオカッパ
足もとには ムートン擬きのブーツ
霙に濡れて きっと 小さな足指は 冷たくなっている
女の子の背中には リュック容積分の 野性
残された豹柄の聖域 黒と金と白で織りなした魂の最後の砦
微笑めば 他者の不幸せが解っていないと 罵られ
涙を零せば 被害者振りと 責められ
静かにしていると 冷静だと 喚かれ
いつしか 女の子は 金色の瞳の おかっぱ仮面となった
でも 大丈夫
あなたの背中には 暖かい野性が ピタリ くっついてる
豹柄の 神様が いるんだから
まっすぐ 歩いていける
完全防水のブーツなんて 意味がない事を
知っているあなたは どこまでも 進んでいける